リファレンスを知って自分好みの音を発見しよう MDR-EX800ST主観的レビュー

筆者的には、また1つお兄さんになる12月。外はもう冬のように寒く、外に出ることさえ億劫になる季節。

そんな時でも筆者の気分をあげてくれるのは音楽の力。自分の誕生日にもっといい音を知ることができるモノが欲しいと思い、今回はかねてから『欲しい』と思っていたモノを購入したのでレビューをしていきたい。

  • MDR-EX800STとは。。。

今回、筆者が購入したのは業務用インナーイヤーモニターヘッドホン[MDR-EX800ST]なるもの。

まず業務用モニターヘッドホンとは。。。ということを説明すると、音楽制作や映像製作をするプロフェッショナル向けに作られたヘッドホンで、スタジオでレコーディングする際にバンドの演奏とボーカルの間に解離が起きないよう、スタジオのスピーカーと同じ音が出力できるようなチューニングを施している。

images (2)
CBSソニーのスタジオユースとして開発されたモニターヘッドホンMDR-CD900ST。スタジオワークの需要が高まり業務用として発売された。その性能はアーティストからも絶大な信頼性を得て1994年一般向け販売も開始され、長い間オーディオマニアにも愛されている。画像出典:ソニーミュージックソリューションズ

ソニーではソニーミュージックと共同開発で[MDR-CD900ST]というオーバーイヤーモニターヘッドホンを1986年にリリースしており、プロフェッショナルの信頼性はもとより、オーディオマニアからも音の忠実性から長年支持されている。

images (3)
CD900STの登場から24年、アーティストのモニタリング用に開発したイヤーレシーバーMDR-EX800STが登場。音質はソニーミュージック乃木坂スタジオのスピーカーをリファレンスにチューニングされている。

それから25年。MDR-CD900STをベースにインナーイヤーモニターヘッドホンが登場したのが、ソニーミュージック乃木坂スタジオのスピーカーの音質を[リファレンス]として開発されたMDR-EX800STだ。

  • あくまでも真面目なプロフェッショナル仕様

発売元がソニーミュージックで業務用ということもあり、今まではオーディオ専門店で細々と販売されていたが、今年からソニーストアでも取り扱いが始まったことで気軽に試聴、購入をすることが可能になった。

白い変哲のない箱の上部に型番が記されるのみの表面と、裏面には業務用につき有償修理である旨の注意が記されるシンプルさ。

内箱もプラスチックの型箱に本体、イヤーピース、キャリングケースが収まる。

ドライバーが収まるヘッド部分は、顔に対して垂直方向にドライバーがあるためやや出っ張り感がある。見た目はCD900STを彷彿とさせる艶々ブラックのボディに左右を識別させる赤と青のラインと真鍮プラグの輝きが無骨さの中にも映える。

本体はコンシューマー向けイヤホンと比べてケーブルの長さが1.6mと非常に長い。スタジオやステージで使うことを想定したことや、装着方法が耳に掛けるような、所謂[シュア掛け]する方式である。ケーブルの左右分岐部にはコードスライダーがあり、これを使うことで装着性やヘッドの密着性を向上させる。

業務用なので作りは頑丈であるが、断線しやすいケーブルに関しては脱着可能であり、同じケーブルを簡単に交換する事ができる。また、互換性があれば違うリケーブルイヤホンのケーブルも使うことができる。

  • 解像度が高過ぎて驚く高音質は流石

肝心の音質だが、DAP、Xperiaといろんなハード、AAC、FLAC、WAVといろんな楽曲やコーデックで聴き比べをしてみたが、一番のポイントはやはり解像度の高さにまず驚く。ピアノの打鍵感やタムのタカタカする感じの強弱や余韻、キックやギターのカット音やボーカルの息継ぎの微細音まで『目を閉じたら見える』くらいの体感で、『ここまで聴こえちゃうんだ』って思うほど高い解像度は今まで味わったことがなく、鳥肌立つくらい衝撃的だった。

特に、中低域の程よいパシパシかつズンズンさと、高域の解像度と余韻のバランスと音場の広さは流石モニターヘッドホンと言えるくらいの気持ち良さだ。

  • デイリーユースとしては多少のデメリットも。。。

かなりの高音質ポテンシャルで日々のミュージックライフを楽しみたいと思い、EX800STを購入したのだが実際、デイリーユースで使う上でのデメリットも感じたので書いておきたい。

まずは、遮音性。最近のイヤホンはノイズキャンセリングがなくともインナーイヤー型であれば、ある程度遮音されるのだが、EX800STは遮音性はあまり高くない。

混雑した電車や繁華街、工事現場付近などでは音楽再生中でもかなり外音が入ってくるのは気になってしまう。そうなってくるとボリュームを必然的に上げてしまう。

それがもうひとつの問題、音漏れしやすいということだ。とはいえ周りの他人が注意してくれないと気付きにくい問題なので、段階的に音を上げていき音漏れするか否かを動画に収め検証してみたが、微かであるが音漏れっぽいものを感じたので、ボリュームの上げすぎには注意したい。

あとは、細かい部分になるが、耳かけ式なところ、プラグがL型であるところ、ケーブルが長いなどあるが、最初から書いてあるとおり業務用を想定した構造に作られているため多少不便さを感じるのは否めない。

  • 乃木坂生まれの音は不変の基準

とはいえ、ソニーミュージック乃木坂スタジオの音でお気に入りの音楽をアーティストの想いそのまま、いつでも楽しめるのはとても感慨深いし、2.5万円は決して高くはない。

DSC_0190
30年あまり不変の時を経て、今なおリファレンスの音を知れることはミュージックラバーとして誉であろう。

大好きな曲の知らなかった細かいニュアンスまで感じられ、たくさんの曲を聴きたくなるそんなヘッドホンだと思う。

また、お気に入りのヘッドホンやイヤホンの特性を改めて知るひとつの基準ができる[リファレンス]ヘッドホンとして、これからもたくさんの音探しをEX-800STとともに楽しめそうでワクワクする。

MDR-EX800ST/Sony Music Solutions

Haruaking!!!

 

「リファレンスを知って自分好みの音を発見しよう MDR-EX800ST主観的レビュー」への1件のフィードバック

  1. MDR-EX800が好きな物です。ブログが見ずらかったので背景が赤色なら文字を白にするとか、配色を変えて欲しい。

    いいね: 1人

コメントを残す